第334回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/02/22 】

千葉 早智・髙野 美代・須藤 聡子・瀬川 博子・阿部 均・
小野寺 毅・小笠原 孝祐
当院における成人の複視に対するフレネル膜プリズムによる治療について

【目的】 両眼性複視を主訴に当院を受診し、フレネル膜プリズムを処方した43名について検討した。?

【症例】対象は平成18年1月から平成24年4月までに両眼性複視を主訴に当院を受診した43名である。年齢は30歳~90歳で、60~70歳代が最も多く、平均年齢は64.6歳であった。症例の内訳は陳旧性重症筋無力症1名、甲状腺眼症10名、神経原性29名(動眼神経麻痺11名、滑車神経麻痺12名、外転神経麻痺6名)であり、そのうち糖尿病性眼筋麻痺が9例、その他、核上性の開散麻痺が3名であった。?

【結果】処方プリズム度数は各疾患ともに遠見眼位よりも平均3.0△少なかった。また、経過観察中にプリズム度数を変更した症例は全体の23.3%であった。装用期間は原因により異なり、3ヵ月以内に眼位の改善(第一眼位で複視の消失)がみられたのは、糖尿病性では77.8%、他の原因による神経原性では30.0%、核上性では33.3%、甲状腺眼症では斜視手術を施行したものを含めると、6ヵ月以内に眼位の改善が得られた症例が70.0%、1年では90.0%であった。?

【結論】フレネル膜プリズムは組み込み式プリズムに比べ安価であり、症状が変化する症例にも対応できるという利点があり、成人の後天性斜視の治療において有用であると考えられた。


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