第327回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/03/27 】

小笠原 孝祐
短波長光カット眼鏡レンズ(キャリアカラー)による眼内レンズ挿入眼のコントラスト感度への影響

眼内レンズ挿入眼ではコントラスト感度が低下することは避けられず、特に回折型多焦点眼内レンズではその程度が大きいことが知られている。今回、380~500nmの短波長可視光の透過率を軽減させるHOYA社製キャリアカラーが眼内レンズ挿入眼のコントラスト感度を向上させるか否かについて検討を行った。
 対象は当院にて白内障手術を施行した患者のうち、単焦点眼内レンズAcrysof(MA60AC・バイコンベックス・前面凸・UVカット)、IQ(SN60WF・非球面・バイコンベックス・前面凸・イエロー・UVカット)ならびに回折型多焦点眼内レンズTECNIS Multifocal(クリア・非球面・後面回折型・UVカット)を挿入した症例について、遠見完全矯正下におけるコントラスト感度ならびにキャリアカラー(視感透過率96~55%)を装用した後のコントラスト感度の比較をWKマルチコントラスト視力表を用いて行った。
 単焦点クリアレンズ挿入眼ではキャリアカラーは高周波数領域のコントラスト感度を上昇させるが、多焦点眼内レンズ(TECNISMultifocal)では、キャリアカラー装用後もコントラスト感度に有意差はなかった。眼内レンズ挿入眼のコントラスト感度を上げるためには、色収差の軽減が役立つと考えられるが、その有効性を高めるためには球面収差や非点収差の補正がより重要と考えられる。


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