第298回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/03/27 】

小笠原 孝祐・大森 可芽里
オルソケラトロジーレンズ装用による角膜上皮下混濁

症例は16歳高校生女子。平成14年9月24日右眼の視力低下、充血、眼痛を主訴に当院を受診した。初診時、V.d.=0.04(1.0×s-6.0D c-1.0D 160°)で、球結膜充血と角膜中央部にびらんとともに、PRK術後Fantes分類Grade1に類似の角膜上皮下混濁と上皮下炎症が認められ、不整乱視を呈していた。
 本例は、初診約5ヶ月前よりオルソケラトロジーレンズ(OKレンズ)をnight wearで使用していたが、裸眼視力の向上が得られないため、約4ヶ月にわたり終日装用を行っていた。このような不適切なOKレンズの無理な使用が、角膜上皮への過度の圧迫と上皮層の脱落を生じさせるとともに、サイトカインネットワークを刺激し、角膜上皮下混濁を惹起したと推測される。
 OKレンズの装用は、短期的にも長期的にも安全性は未確定であり、オルソケラトロジーを行うにあたっては、適応決定ならびに十分な処方後管理を含め、慎重な対応が望まれる。


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