第323回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/03/27 】

第2回岩手医科大学眼科同窓会兼用

小笠原 孝祐
Marin-Amat Syndrome(顔面神経麻痺後神経異常再生)とその治療について

Marin-Amat Syndromeは末梢性顔面神経麻痺後、数ヶ月~数年を経て顔面神経麻痺眼が開口時に閉瞼するという臨床所見を呈する症候群である。今回、本症と考えられる61歳女性ならびに79歳女性について提示するとともにボトックスRによる治療効果ならびにその経過について報告する。
 本症の治療には2004年頃からボトックスR注射が導入、施行されているが、欧米における投与量の報告はまちまちである。今回の症例については眼瞼痙攣の治療に準じ、眼瞼周囲5ヶ所に計12.5単位のボトックスR投与を行ったが、効果は十分であると考えられた。治療効果の持続期間については症例毎に異なると考えられ、今後、継続して経過をみる必要がある。
 本症の発現機序としては、逆行性の軸索変性に基づく顔面神経核内亜核の再構成説(Reorganization of facial nucleus topography)や自己受容器説(Proprioception theory)も提唱されているが、今回経験した症例の臨床所見ならびに筋電図学的な報告を踏まえると、顔面神経異常再生説(Misdirection of regenerating nerve fibers)が最も受け入れられると考えられる。


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