第29回日本眼科手術学会

【 更新日:2013/02/22 】

小田島 祥司・小笠原 孝祐
眼瞼下垂に対する通糸法による簡便な瞼板筋短縮術

目 的
 皮膚切開や瞼板筋の切除を行わずに通糸縫合するだけで瞼板筋の短縮を行い、Fasanella-Sarvatt法あるいは眼瞼挙筋tuckingに比し同等以上の眼瞼下垂矯正効果が得られる術式を考案したので報告する。

方 法
 手術は結膜円蓋部より少量の局所麻酔を行い、ペアン鉗子で瞼板を露出させ、縫合部を1~2ヶ所決定の上、結膜円蓋部より7-0ナイロン糸を瞼板に通し、さらにその糸を結膜円蓋部に再通糸の後、円蓋部側で結膜縫合する方法である。

成 績
 眼瞼皮膚弛緩症の程度が中等度までの加齢性(老人性)眼瞼下垂、コンタクトレンズ長期装用者にみられる眼瞼下垂、Horner症候群に伴う眼瞼下垂などを含め、現在までに約70例の症例に本術式を施行し1年以上の経過をみているが、術後、整容的に満足できる結果が得られている。

結 論
 本術式は手術時間が短く、多くは術後の眼帯が必要なく、術後の腫脹や疼痛等の患者負担が軽減されること、また、術後の合併症が少なく、両眼同時に手術できることも可能であることが最大の利点である。この方法は、先天性眼瞼下垂や内眼部術後の眼瞼下垂への応用も可能ではないかと考えられる。また、再手術も容易であり、通糸部位を変更することにより術後の下垂矯正量をある程度コントロールすることもできるため、各種眼瞼下垂の矯正手術として初回に選択してよい方法と考えられる。

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