第315回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/02/21 】

小野寺 毅・小笠原 孝祐
パピロックミニR点眼液による春季カタル症例の治療経験

春季カタルは難治性のアレルギー性結膜疾患で抗アレルギー点眼薬やステロイド薬を用いても巨大乳頭増殖などの症状を緩解・治癒させることは困難なことが多い。また、ステロイド薬は眼圧上昇などの副作用があり使用にあたっては注意が必要であった。
 今回、0.1%シクロスポリン点眼液であるパピロックミニ点眼液(CYA点眼液)を用い巨大乳頭の改善とステロイド薬の減量が可能であったので報告する。症例は、CYA点眼液開始後6か月以上の経過観察が可能であった8~15歳の4例の男児で、CYA点眼液使用以前は全例でステロイド点眼液と3例で抗アレルギー点眼液を用いていた。CYA点眼開始前に3例に存在していた巨大乳頭は同剤の使用により消失し、また、3例でステロイド点眼の中止、1例で減量が可能であった。CYA点眼液使用中の副作用は認めなかった。パピロックミニ点眼液は春季カタル症例に対し有効な治療薬である。


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