第312回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/02/21 】

渡部 直美・高野 美代・波岡 聡子・小笠原 孝祐
介護老人保健施設入所者の視機能調査

介護老人保健施設(以下老健)における作業療法は生活意欲維持に重要であるが、「見えない」ことを理由にその作業を拒む入所者が増えているという。今回、某老健施設から視機能調査の依頼を受け、眼科検診を行ったのでその結果を報告する。対象は入所者95名中作業療法参加者35名、年齢76~98歳(平均85歳)で、検査内容は屈折検査、眼圧検査、前眼部・中間透光体検査、眼底検査である。視力測定は字ひとつ指標にて裸眼視力と矯正視力を測定した。裸眼視力は手動弁~0.7、矯正視力は30cm手動弁~1.2で眼鏡を所有しているのは5名のみだった。種々の加齢性の眼疾患が明らかとなったが、眼鏡による適切な視力矯正や白内障手術による視機能の改善が得られると考えられる入所者が多数みられた。老健入所者の視機能の管理には、介護保険上の壁とともに経済的問題や家族の理解、協力の有無など種々の問題が関わっていると考えられた。


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