第333回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/03/27 】

小野寺 毅 ・ 小笠原 孝祐
LASIK専門クリニックで施術された症例について

【目的】外・前眼部感染症において多剤耐性菌が検出される機会が多くなっているため、最近の検出菌とその薬剤感受性について調べた。
 対象と方法:2012年に当院で眼窩蜂窩織炎、眼瞼炎、涙嚢炎、結膜炎、角膜潰瘍と診断した年齢0から95歳の患者193例で、眼脂や皮膚を綿棒でぬぐい輸送用培地に採取の上、培養を実施し菌の分離・同定を行った。

【結果】検出菌は18菌種336株で、コリネバクテリウム112株(33%)、表皮ブドウ球菌97株(29%)、黄色ブドウ球菌60株(18%)、インフルエンザ菌29株(9%)の4菌種で89%を占めた。表皮ぶどう球菌のうち53%がMRSE、黄色ぶどう球菌のうち7%がMRSA、インフルエンザ菌のうち48%がBLNARの多剤耐性菌であった。これら4菌種の薬剤感受性についても報告する。

【結論】多剤耐性菌が多く検出されたことより、抗菌剤の使用に際し、病変から分離培養を行い、適切な抗菌薬を短期間用いることが重要である。

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