第320回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/03/27 】

小野寺 毅・小笠原 孝祐
Superficial epithelial peelingが有効であった角結膜上皮症の1例

80歳、男性。両眼の眼内レンズ挿入眼、結膜弛緩症、乾性角結膜炎で経過観察中であったが、結膜上皮が角膜内に侵入する角結膜上皮症を両眼に発症。両眼共に角結膜上皮症は除々に進行し、瞳孔領を覆い視力低下をきたしたため、impression cytology法を応用したsuperficial epithelial peelingを症状の重症な右眼に施行した。術前の右眼視力は0.3( n.c.)で、角膜形状解析でも異常を認めた。手術は、点眼麻酔下で、3.0×5.0mmに細切した0.22μmポアサイズのメチルセルロースフィルターを病変部の角膜に圧着し、そのフィルターに接着した侵入結膜上皮を剥離することで行なった。術後の右眼視力は0.7( n.c.)にまで改善し、角膜形状解析も正常に復した。superficial epithelial peelingは角結膜上皮症に有効な治療法であると考えられた。

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