第296回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/02/21 】

堀内 瞳・遠藤 由佳理・大森 可芽里他
アイパッチによる片眼遮閉中止後に視力低下をきたした不同視弱視症例の検討

不同視弱視にアイパッチで片眼遮閉訓練(以下訓練)を行い、(1.0)以上の視力が得られた症例を、訓練終了後も視力を保持し得た良好群と視力が再び低下した低下群とに分けてその要因を比較検討した。眼鏡装用開始時年齢、不同視差、訓練の期間には両群間で差はなかった。訓練開始時の弱視眼視力は良好群では前例(0.4)以上であったのに対し、低下群では半数が(0.3)以下であった。訓練終了時の両眼視機能では、正常立体視とされる60秒を満たすものが、良好群で10例中9例、低下群で6例中3例であった。今回の検討から、訓練開始時の弱視眼視力が(0.4)以上、また訓練終了時の両眼立体視機能が60秒以上の場合には視力の保持が良いことが再確認された。さらに、弱視眼の視力が(1.0)以上を確認してから訓練中止までの期間は、良好群で1~11(平均4.1)ヶ月、低下群で0~3(平均1.3)ヶ月と低下群で短い傾向があり、訓練中(1.0)以上の視力を得た後も注意深い経過観察が必要と思われた。

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