他院でLASIKを施術され術後受診した症例についての検討

【 更新日:2015/09/15 】

【目的】
他院にてLASIKを施術され、術後当院を受診した症例についての検討を行い、診療上の問題点を明らかにする。

【方法】
平成16年9月~平成27年5月までに当院を受診した他院にてLASIKを施術された症例91名(LASIK専門施設64名、一般眼科施設19名、海外眼科施設8名)182眼について年齢、性別、当院受診理由、当院受診までの期間、紹介状の有無ならびに定期検査目的患者の場合には、術後経過日数について検討を行った。

【結果】
年齢は20歳~66歳(平均34.3歳)であり、男女比は男性37.4%、女性62.6%であった。当院への受診理由は定期検査目的が22例(24.2%)、術後に視力が低下したが13例(14.3%)、その他LASIK以外の愁訴が56例(61.5%)であった。当院受診までの期間は最短3日、最高16年であり、定期検査目的患者の術後経過日数は1週間までが最も多く8例(36.4%)であった。
紹介状を持参した症例はわずか3例(3.3%)であった。また、紹介状を持参しない症例について施術施設に問い合わせを行っても術前履歴情報が入手できない症例が12例(13.2%)存在した。

【考察】
手術後に受診した患者さんのほとんどが紹介状を持たず、また術前履歴情報も本人が所持せず、その重要性の認識に欠けていることが明らかになった。
LASIKの既往を本人が申し出ない場合には眼圧の評価や白内障手術時に眼内レンズの度数決定を行う上で大きな問題が起きる可能性がある。今後、眼科医療機関に対してLASIK患者の診療を行う上での注意点について啓発し、周知していく必要があると思われる。

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