LASIK術後の近視の戻りに対するチモロール点眼効果に関わる因子の検討
【目的】
眼圧下降剤点眼液がLASIK後の近視の戻り(regression)に有効であることが報告されている。当院にて0.5%チモロール点眼治療を施行したregression症例について有効例と無効例を比較し、点眼効果に関わる因子について検討を行った。
【対象】
当院にてLASIKを受けた症例のうち、術後の近視の戻りに対し0.5%チモロール点眼(1日2回)治療を試みた男性10名16眼、女性15名22眼、計25名38眼、年齢24才~56才(平均37.1才)、LASIK前近視度数は-3.22D~-7.95D(平均-5.84D)、regression度数は-0.75D~-2.75D(平均-1.83D)、術後チモロール点眼を開始するまでの期間は、1ヶ月~10年(平均4年1ヶ月)であった。
【方法】
上記症例の点眼前後の視力、屈折、角膜曲率半径(K値)、眼圧、角膜前・後面の前方偏位量について統計学的に有意差をt検定にて解析した。点眼効果は点眼開始後1ヶ月にて判定した。
【結果】
LogMAR視力にて1段階以上の視力改善が得られたものを有効と判定した場合、有効は18例24眼(63%)、無効12例14眼(37%)であった。
有効例と無効例を比較した場合、視力の変化の他にK値ならびに眼圧の変化量に有意差が認められた。また、有効例について点眼前と点眼後の結果を比較したところ、K値変化量、眼圧変化量、角膜後面の前方偏位の減少量については有意であり、屈折は近視の減少傾向が認められた。なお、角膜フラップ厚、点眼前残存ベット厚については点眼有効例、無効例の間に有意な差は認められなかった。
【考按】
LASIK後のregressionに対し、眼圧下降剤であるチモロール点眼は有効であり、その奏効機序としては眼圧の下降により角膜後面の前方偏位量が減少し、角膜がフラット化することにより屈折の近視化が軽減されることが推測された。
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