第21回東北屈折矯正研究会抄録
第21回東北屈折矯正研究会抄録
LASIK施術眼の水晶体再建術における眼内レンズ度数計算について
小笠原 孝祐、小野寺 毅、森 明広
LASIK施術後の眼内レンズ(以下、IOL)の度数計算は、通常の角膜屈折力(K値)およびIOL度数計算式を用いると術後の屈折値は遠視側に誤差が生じることが知られている。
今年3月までにLASIK施術後に当院にて水晶体再建術を施行した症例は22例38眼であった。その内訳は、当院でLASIKを施行した19例32眼、他院で施行した3例6眼である。LASIK手術時年齢は29~58歳(平均45.4歳)、白内障手術時年齢は43~72歳(平均59.3歳)、LASIK手術から白内障手術までの期間は3年4ヶ月~18年(平均13年6ヶ月)、LASIK術前屈折値は等価球面度数でs-2.50D~s-15.25D(平均s-8.29D)であった。このうち、-3.00D以上の屈折矯正を行った28眼について7つの計算式にて水晶体再建術後屈折誤差について検討したので報告する。挿入IOLは、単焦点22眼、多焦点6眼であり、術後目標屈折値は-0.50Dに設定し、術後1ヶ月の屈折値との比較を行った。
以下の表に示すように、第4世代と言われる計算式の中ではCamellin-Calossi 式を用いたNIDEK社IOLステーションならびにHaigis-L式、ASCRSのWebサイトの計算式が比較的良好な術後屈折値を示した。日本では2000年から現在まで約300万人のLASIK手術が施行されたと推定されている。東北地方においてはLASIK術前のデータが入手困難な症例も多く、LASIK手術眼の水晶体再建術にあたっては屈折矯正誤差が起きる可能性を患者に説明するとともに精度の高いIOL度数計算式の更なる向上が期待される。
計算式 精度 |
Camellin-Calossi | SRK | SRK/T | Haigis-L | Barrett UⅡ |
Barrett True-K |
ASCRS |
±0.5D以内 | 66.7% | 25.0% | 21.4% | 46.2% | 17.4% | 40.9% | 46.4% |
±1.0D以内 | 88.9% | 53.6% | 28.6% | 65.4% | 34.8% | 63.6% | 60.7% |
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