平成19年1月号(No.74) 新年に思う

【 更新日:2007/01/01 】

新年明けましておめでとうございます。皆々様には御家族おそろいで輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年も色々なことがありましたが、なんといっても『いじめ問題』が大きく取り上げられたことが第一に思い出されます。そして、それに付随する悲しい事件は、社会環境や教育問題について改めて考えさせられることが多々あった年でもありました。教育の基本は、知育・徳育・体育といわれておりますが、そのバランスが崩れていることが多くの問題の根底にある気がしております。知識を教えることが教育ではなく、教える側の人格に触れることが最も大切であるという言葉があります。このことを学校や家庭で経験できる環境作りを目指すことが先決ではないでしょうか。また、最近は芸術、文化に触れる機会が少ない子ども達が増えているように感じられます。ややもすればテレビ、パソコン、携帯メール等の媒体を通じて言葉のない、また、顔の見えない安易な情報通信が可能となっており、ここに『心』というものが見失われ、『ゲーム脳』を持った子ども達が増えているように思われます。芸術、文化はいうまでもなく、その国の歴史や伝統に育まれたものですが、それに接することが『創・想・奏』という人間としての教養の基盤を作る上で大切だと思います。それは生涯、心の中に残るものであり、また、世代を通じて受け継がれていくものであろうと思います。このような観点から、今年は『猪突猛進』ではなく、もう一度教育の原点を考えた社会作りへ向かっていくよう願いたいと思います。当院は今年3月で15周年を迎えることになります。今後とも、皆様方のお役に少しでも立てますよう眼科診療を通じてがんばってまいりたいと存じますので何卒宜しくお願い申し上げます。

院 長  小笠原  孝祐

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