手打蕎麦名人高橋邦弘氏の雪花山房に行ってきました
今年(平成26年)5月の連休を利用し、広島県山県郡北広島町(旧豊平町)にある手打蕎麦名人 高橋邦弘氏の雪花山房を訪れ、二八蕎麦の神髄ともいえる食感と風味を楽しんできました。高橋邦弘氏は今年限りで雪花山房から完全に離れ、来年からは大分県に移住するとのことで、私にとっては今年が最後のチャンスでした。念願が叶い本当に嬉しく思います。氏は何度もテレビで紹介されていますが、昨年NHKでの放送がさらに氏の人気に拍車をかけ、まさに滋味なる蕎麦を求めて全国各地から開店日にお客さんが押し寄せて来るようです。
当日の予定としては、仙台空港から広島空港に飛び一泊した後、レンタカーにて雪花山房に向かうつもりでしたが、色々な方々の情報を伺い、カーナビが効かない場所も通らなければならないことを知り、広島交通の方を紹介して頂き、半日観光料金にてタクシーにてホテルを8時に出発し、9時15分に雪花山房に無事到着しました。(参考:雪花山房営業案内)
当日(5月4日)は広島市内にてフラワーフェスティバルが催されておりましたが、渋滞に巻き込まれることもなく安堵しました。運が良いことに運転手さんは蕎麦通とのことで、朝5時30分にあらかじめ雪花山房に赴き、予約表に自分の名前で予約者3名として記入してくれておりました。通常であれば2時間ほど待たなければならないところをほとんど待ち時間なく入店することが出来ました。以前は11時開店だったようですが、最近は待つ方が増えたため10時前には店を開けてくれるようです。ちなみに午後2時までに受け付けをされた方には蕎麦を振る舞うとのことですが、約300人分を打つとのことですので、一升(1.8㎏)の蕎麦粉の玉を最低60個は必要ということになり驚いた次第です。ざる1枚が120g程度ですので、2枚の蕎麦を注文する方が多いようです。
氏は常にどのような場合でも妥協することなく同じ工程をきっちりと繰り返し、全てのお客様に分け隔てなく喜んでもらえる蕎麦を打つことを信条とし、そのために自分の精魂を蕎麦に込めて打つ姿勢には感動せざるを得ません。また、どんな方にも気さくに接し、自分の技量を隠すことなく教えるという姿勢が蕎麦道場でもある雪花山房を開くことに至った根底と知り、蕎麦打ちの世界における神童と言われる所以であることを認識致しました。
氏は平成19年(7年前)の9月9日に旧滝沢村(現滝沢市)の岩井沢家という旧家で蕎麦を振る舞ったことがあります。これは氏が北海道の早生品種の蕎麦を入手し、4トントラックを自ら運転し、製粉から茹でまでを行なえる装置までの備え付けたビジョンバンならぬ”蕎麦バン”にて全国各地を回る活動をしておりましたが、その際、縁あって滝沢村の岩井沢家で実際に氏の蕎麦打ちの場面を拝見し、食す機会を得ることが出来たのでした。氏が執筆した蕎麦大全という現在の蕎麦打ちの中ではバイブル的な本を購入し、そこにサインを頂いたことは私の誇りであり、一生の思い出となっております。
雪花山房での蕎麦は味わうというより、感激のあまり一瞬のうちにその席に座った時間は過ぎてしまいましたが、氏の打った蕎麦の喉越しの良さと蕎麦の香り、また、かえし(だし)との絶妙な調和は一生忘れることが出来ないと思います。今回の経験を通じ、やはり物事は全て術ではなく道であることを再認識致しました。
写真
写真1:平成19年9月9日滝沢村岩井沢家にて | 写真2-1:雪花山房全景 |
写真2-2:雪花山房全景 | 写真3:雪花山房入口 |
写真4:雪花山房店内 | 写真5:もりそば |
写真6:仕事中の高橋邦弘氏 | 写真7:玄蕎麦貯蔵庫ならびに製粉所 |
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