平成20年1月号(No.78) 医療費控除について
【医療費控除について】
一般的には医療費控除のことを、「医療費を一定以上払っていると税金が安くなる」と理解なさっている方が多いようです。正しくは、医療費控除は所得控除の一つですので、所得税を算定する際の所得から医療費を経費として引いてくれるものです。給与所得者の場合、個人の所得税は年末調整として勤務先で行われますが、医療費については考慮されません。医療費控除を受けるには、個人での確定申告が必要となります。確定申告の受付は2月18日(月)~3月17日(月)となっております。
【医療費控除を受けるには】
医療費控除の対象となる医療費とは、
①納税する者が、自分自身又は自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること
②その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費であること
の2つの要件を満たすもののことです。
「生計を一にする」というのは、同居または扶養の義務がある者と解釈されています。例えば、夫婦共働き世帯であって、住宅ローン減税を夫が受けているような場合であっても、子供や老親のような扶養家族の医療費を妻の支払ったものとして申請すれば、妻の所得税が減税されることが考えられます。世帯として考えて、得をする方で適応を受けることができるのが医療費控除の特徴の一つといえるでしょう。
医療費は「医師等による診療等を受けるために直接必要なもの」とされており、国税庁資料には、下の表に示すような例示があげられています。
医療費控除の対象となる金額は、実際に支払った医療費控除の対象となる金額は、実際に支払った医療費から、生命保険等による給付金額と10万円(または年収の5%)を引いた金額で、上限は200万円です。
医療費控除を受けるためには確定申告が必要となります。その際、実際に医療費がかかったことを証明するために一番大切な帳簿が領収書です。
「領収書を再発行してほしい」と患者さんがおっしゃられることがあります。法令上、再発行は認められておりませんので、当院では“証明書”という形で発行致しております。また、証明書は文書扱いになりますので、文書料1,050円を頂戴しております。必要な方は窓口までお声をお掛け下さい。宜しくお願い致します。
【医療費に含まれるもの】 ● 医師・歯科医師による診
● 医師・歯科医師による診療や治療の対価
● 治療のためのあんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師、
柔道整復師などによる施術の対価
● 助産師による分娩の介助の対価
● 医師等による診療等を受けるために直接必要なもので、
次のような費用
・ 通院費
・ 医師等の送迎費
・ 入院の対価として支払う部屋代や食事代
・ 医療用器具の購入や賃借のための費用
・ 義手、義足、松葉づえ、補聴器、義歯等の購入の費用
・ 治療用コンタクトレンズの購入代金 等
【医療費に含まれないもの】
○ 容姿を美化し、容貌を変えるなどの目的で行った整形手術の費用
○ 健康診断の費用(人間ドックなど)
○ 自家用車で通院する場合のガソリン代・駐車場代
○ 治療を受けるために直接必要としない眼鏡・コンタクトレンズ等の
購入費用 等
【医療費控除の対象となる金額の求め方】
1年間に実際に支払った医療費の合計額からAの金額とBの金額を差し引いた額
A 保険金などで補填される金額
(例)生命保険契約などで支給される入院費給付金、健康保険などで
支給される療養費・家族医療費・出産育児一時金など
B 10万円
ただし、その年の所得金額の合計額が200万円未満の人は
その5%の金額