第313回岩手眼科集談会

【 更新日:2013/03/27 】

小笠原 孝祐
塩酸タムスロシン(ハルナールDR)服用者にみられた
白内障術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)の1例

排尿障害改善剤であるα1ブロッカー・ハルナールR(塩酸タムスロシン)を11年間服用していた87歳男性患者の白内障手術(超音波乳化吸引術、眼内レンズ挿入)中に、Intraoperative Floppy Iris Syndrome(IFIS, Chang, et al. 2005)を経験したので報告する。
 手術前の瞳孔径は6mmと散瞳が不良であったため、術前にシクロペントレートを追加し、前嚢切開前にヒーロンVRを使用した。左眼は、術中瞳孔径を保つことができ問題なく手術を行えたが、右眼では、左眼と同様の術前処置を行ったにも関わらず、術中に水流による虹彩のうねりと進行性の縮瞳が認められた。そのため、残存核と水晶体皮質の吸引に際しiris retractorを使用し手術を終了した。
 塩酸タムスロシン服用者の白内障手術にあたっては、IFISの発生を予見してこれに対応できる準備をしておくことが必要である。


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