当院における円錐角膜に対するカスタムメイドコンタクトレンズ処方の現状について

【 更新日:2018/10/01 】

<目的>

当院で円錐角膜と診断し、サンコンタクトレンズ社製のカスタムメイドハードコンタクトレンズ(以下カスタムレンズ)を処方した症例の現状について検討した。

<対象>

カスタムレンズを装用している円錐角膜症例68名(男性46名、女性22名)の120眼。

<方法>

プラチドリングのパターンから円錐角膜の程度をグレード1:最外周のリングが角膜直径とほぼ同程度の軽度、グレード2:最外周のリングが角膜直径の2/3程度の中等度、グレード3:最外周のリングが角膜直径の1/2程度の重度に3分類した。各グレード毎にカスタムレンズの使用タイプ(CL1:マイルドⅡカスタム、又は、カスタムパーム:球面レンズ、CL2:ツインベル:二段階カーブ球面レンズ、CL3:エムカーブ:多段階カーブ球面レンズ)を検討した。また、対象にアンケートを郵送しカスタムレンズでの装用状況を調査し、回答を解析した。

<結果>

全症例中CL1が106眼(88%)、CL2が5眼(4%)、CL3が9眼(8%)であった。グレード1は48眼で、内訳はCL1が46眼(96%)、CL2が2眼(4%)、CL3が0眼(0%)、グレード2は62眼で、CL1が55眼(89%)、CL2が2眼(3%)、CL3が5眼(8%)、グレード3は10眼で、CL1が5眼(50%)、CL2が1眼(10%)、CL3が4眼(40%)であった。角膜曲率半径の値はグレード1が6.63~8.26(平均7.38)mm、グレード2が5.25~7.77(平均6.73)mm、グレード3が4.95~6.97(平均5.89)mmだった。また、アンケート調査では回収率が47%で、カスタムレンズ装用状態について満足47%、やや満足19%、普通19%、やや不満9%、不満6%であった。やや不満、不満と回答した理由は、長く装用できない、異物感、ずれやすい、見え方が不十分であることなどであった。装用時間は、12時間以上が47%、8時間以上12時間未満が41%、5時間以上8時間未満が9%、5時間未満が3%であった。

<結論>

重症例になるにつれて二段階や多段階カーブ球面レンズでの割合が高くなったが、約9割の症例で通常の球面レンズで処方が可能であった。また、アンケート調査の結果から不満、やや不満が15%もあり、今後の対策の必要性があると考えられた。


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