平成23年1月号(No.90) 新年明けましておめでとうございます。

【 更新日:2011/01/01 】

皆様には輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は政治、経済、外交、防衛を含め日本という国の根幹に係わる色々な問題が表面化し、明るい話題に乏しい年でした。今年こそ、私たち一人ひとりの生活が少しでも良くなり、希望が持てる年になるよう願い私も盛岡八幡宮に参拝し、お祈りをして参りました。早いもので当院も開院してから19年目を迎えることになります。皆様方の温かいご支援に対し心から御礼と感謝を申し上げますとともに職員一同、今後とも精進する気持ちを新たにしておりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

<< レーシック難民という言葉を知っていますか? >>

近視・乱視・遠視をレーザー光線にて矯正するレーシックの認知度が高まり、日本でもレーシックを受ける人が増えてきました。それに伴い、施設間の価格競争や治療の質に懸念が生じてきました。特にその傾向は都市部で著しく一昨年2月25日に報道された感染症が発覚した銀座眼科の事例は正にその心配が現実となってしまったものでした。レーシック手術による感染症は我が国においては眼科専門医施設では皆無であり、この手術の恩恵が計り知れないことを思うと医療界にとっては大変な損失を被った事件でありました。
 さて、交通網の発達により地方から都市部の手術料金の極めて安いレーシック治療施設に行かれる患者さんが増えていますが、手術後に紹介状を持たずに地域の眼科クリニックや大学病院の外来を受診する患者さんも増えてきており、術後フォローの問題も無視できない状態となってきました。手術をする前のデータがない患者さん、治療結果が思わしくないのにその相談も出来ず、不安を抱えたまま行き場を失っている患者さんからの相談を受けることも少なくありません。また、レーシックを受ける前の治療データがない場合には、その患者さんが将来、白内障の手術を受ける時には大変困ることが起きる場合もあります。このような患者さんは現在、『レーシック難民』と呼ばれるようになっています。レーシックの手術自体は両眼で20分程度で終了し、その場で視力が回復するため非常に簡易な治療の印象がありますが、あくまで目の繊細な手術であり、厚さ0.5㎜の薄い透明な組織に触れる治療です。患者さんの目の健康を常に第一に考え治療にあたることは医師として当然の責務です。手術だけではなく術前の検査と治療に対する説明、そして術後のフォローまでトータルで医療としてしっかりと行うことがレーシックを行う施設に求められますし、眼科専門医としては当然であると言えます。不安な気持ちでクリニックを探す患者さんがいなくなること、『レーシック難民』と言われる人たちが増えないこと、そしてその方々へ援助の手を差し伸べることができるよう今後も取り組んでいきたいと思っているところです。当院を含めてレーシックを行っている施設の中で上記のような状況を憂い、慶応大学の坪田一男教授が中心となり「安心レーシックネットワーク」という開業医、大学病院が協力して行動する組織が一昨年に発足致しました。安心レーシックネットワークではパンフレット等を用いた啓発活動を行うとともにインターネットでも情報を発信しておりますので、是非ご覧になって頂きたいと思います。以下に安心レーシックネットワークに加わっている主な施設を紹介致します。

【クリニック】
○医療法人 小笠原眼科クリニック(岩手)
○医療法人幸友会 岡本眼科クリニック(愛媛)
○医療法人社団海仁 海谷眼科(静岡)
○医療法人仁志会 西眼科病院(大阪)
○医療法人聖明会 坪井眼科(大阪)
○医療法人朔夏会 さっか眼科医院(福岡)
○江口眼科病院(北海道)
○眼科杉田病院(名古屋)
○多根記念眼科病院(大阪)
○名古屋アイクリニック(名古屋)
○バプテスト眼科クリニック(京都)
○林眼科屈折矯正クリニック(福岡)
○宮田眼科病院(宮崎)
○南青山アイクリニック東京(東京)

【大学病院】
○旭川医科大学眼科学講座
○岩手医科大学医学部眼科学講座
○愛媛大学医学部眼科学教
○大阪大学医学部眼科学教室
○京都府立医科大学病院眼科学教室
○慶応義塾大学医学部眼科学教室

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