平成10年5月号(№38) 3歳児・就学時健診の重要性
【 更新日:1998/05/01 】
眼科健診には、①小・中・高における外眼部・視力・色覚(小学校4年生のみ)の検査②小学校就学前の就学児健診があり、さらに平成2年から③3歳児健診に視力検査が加わりました。3歳児健診での視力検査はなかなか困難なようですが、視力は出生後から3歳までにとても速いスピードで成長し、ほぼ6歳頃までに完成しますので、この時期に弱視や斜視を発見することは治療をする上で極めて重要なのです。3歳児健診で見逃され弱視が放置されていた場合でも、就学児健診で発見されれば年齢的に治療効果を期待できる最後のチャンスです。指摘をされてもまだ眼科を受診されていないお子さんは、ぜひ受診して下さい。また、検診以外でも以下に述べることで該当することがあれば眼科を受診してほしいと思います。
●テレビやものを見る時、目を細める
●テレビやものを見る時、あごを引いたり上げたりして見る
●テレビを見る時、極端に近付いて見る
●目が内や外に寄っている
●頭を傾けてものを見る
●室内では普通にしているのに、戸外の明るいところにでると眩しそうに
目を細め、片目を強くつぶる
小さいお子さんの場合、視力が発育不十分でよく見えていなくても『見えない』と訴えることはほとんどありません。そこで、家庭で少し注意し御父兄の皆様にも弱視や斜視の早期発見と発達の手助けをしていただきたいと思います。
(視能訓練士 遠藤 由佳理)