加齢黄斑変性症とは?

【 更新日:2021/01/22 】

黄斑の役割

網膜の中で最も重要な部分は、ものを見る中心となる黄斑です。黄斑は視力に最もかかわりが深く、色を識別する細胞のほとんどはこの部分にあります。黄斑に異常が発生すると、視力低下をきたします。また、黄斑の中心部には中心窩という部分があり、ここに異常が生じると、視力の低下がさらに深刻になります。

 

加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性は、黄斑の加齢に伴う変化によって起こる疾患で、高齢者の失明原因のひとつです。脈絡膜から発生する新生血管(脈絡膜新生血管)の有無で「滲出型」と「萎縮型」に分類されます。

 

加齢黄斑変性?

眼も身体の一部です。当然ですが年齢とともに老化が始まります。「眼の老化」といえば、まず初めに思い浮かぶのが、「老眼」。そして、緑内障、白内障といった病名。でも、これからお話しする「加齢黄斑変性」は、みなさん、あまり聞きなれない病名ではないでしょうか。

この「加齢黄斑変性」は。もともと欧米人に多い眼疾患です。米国ではすでに65歳以上の中途失明原因のトップになっています。この疾患が、近年、日本でも急増しているのです。

いわばカメラのフィルムの真ん中に異常が起こる病気です

加齢黄斑変性とはその名の通り、年齢を重ねることによって網膜の中心「黄斑」部が老化し、異常の出る病気です。

私たちの眼がカメラに似ているという話は、お聞きになったことがあるでしょう。眼の虹彩が絞りで、水晶体がレンズ、そして網膜がフィルム。その網膜の中心、黄斑はいわばフィルムの中心。加齢黄斑変性は、「眼の老化」によりフィルムの真ん中が写らなくなってしまった状態なのです。

 

見たいところが見えづらくなってしまいます

その症状は、痛みもなく、徐々にとても静かに進行していくので、気がつくのは視力がかなり低下してからということも少なくありません。しかも、現在のところ決定的な治療法が確立されていないのが事実です。

周りがハッキリと見えるのに、視界の中心だけが見えなくなっていく。孫の写真を見ても、周囲がどんな場所なのかは解るのに、その顔を見分けるのは難しい。肝心な道路標識は読めないのに、歩道に落ちている枯れ葉は眼の隅で確認できる。つまり、「一番見たいと思ってるところが見えなくなる」、それが加齢黄斑変性です。

日本でも増加 加齢黄斑変性

加齢黄斑変性は、欧米諸国を中心に患者数は増大しており、アメリカでは65歳以上の失明原因の第1位です。日本においても加齢黄斑変性の患者さんが増加しており、2006年の厚生労働省の報告では失明原因の第4位に入っています。

 

加齢黄斑変性の原因として活性酸素、特に青色光による光酸化ダメージが注目

加齢黄斑変性の原因として、有力視されている活性酸素による酸化ストレス

体内で産生される活性酸素。活性酸素は病原体などを攻撃し細胞などを守る反面、必要以上に発生すると酸化ストレスとなり、組織障害の大きな原因となります。活性酸素による酸化ストレスが加齢黄斑変性の原因の一つといわれています。

活性酸素の産生を促進させる原因として「太陽光」「偏った食生活」「タバコ」「ストレス」などが注目されています。また、大気汚染やオゾン層の破壊、食生活の欧米化など、活性酸素の産生を促進させる原因がますます増えています。

青色光による光酸化ダメージも、加齢黄斑変性の原因のひとつ

可視光線の中で最も高いエネルギーを持つ青色光。現代社会では、太陽光だけではなく、テレビやパソコンなど、青色光を浴びる機会が増えています。紫外線A波やB波は角膜や水晶体で遮断されるのに対し、青色光は網膜まで到達します。
網膜は不飽和脂肪酸を多く含むため酸化ストレスを受けやすく、さらに黄斑部は光が集光する部分であるため、青色光による酸化ストレスを受けます。青色光による光酸化ダメージが加齢黄斑変性の原因の一つといわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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