近視進行抑制点眼治療について
近視の進行を抑える目薬をご存知ですか?
近視の進行を抑えるために、いくつかの試みが報告されています。
当院では、マイオピン(低濃度アトロピン)を1日1回点眼することによって、
近視の進行を抑制する治療を行っております。
Myopine(マイオピン)とは、小児期の近視の進行を軽減させることを目的にアトロピンを0.01%配合させた点眼薬で、Singapore National Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の下記の研究に基づいて開発されています。
マイオピンの特徴
・日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要※です。
・目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません。
よって近見視力の 低下にあまり影響を与えず、近用の眼鏡も不要と言われております。※
・毎日必ず就寝前に1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法になります。
・各容器(1本・5ml)は両眼用に1ヶ月間の使い切りになっております。
・本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されてい ます。
◆近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで何もしない方と比べ 近視の進行を軽減できたという報告を基にしています。※
近視の進行を抑制することが大切な理由
子どもの近視は、主に眼球が楕円形 に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。
近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸 びてしまうと戻ることがありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
マイオピンが選ばれる理由とは?
マイオピンは、近視の進行を遅らせる(眼軸長の進展を抑制する)という点で 統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている治療法の一つです。
□ 重篤な副作用の報告はありません。※
*この薬の本来の作用により、一時的に瞳孔(黒目)が大きくなりまぶしく感じますが、 数時間で元に戻りますのでご心配ありません。
□ 近視の進行を平均約60%軽減させる良好な点眼薬と言われております。※
低濃度アトロピン0.01点眼薬は、最適な超低濃度(0.01%)のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑えると同時にアトロピン1%点眼薬のような不快な副作用を回避します。
マイオピンは安全ですか?
シンガポール国立眼科センター(SNEC)の研究によりますと、アトロピン0.01%の効果は点眼を
2年間継続した後によるものです。※
1.アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
2.眼圧(IOP:Intraoculareyepressure)に影響を与えないとの報告でした。
3.白内障を形成するとの報告はありませんでした。
4.点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
5.電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。
費用について
本治療は自費診療(保険適応外)です。
マイオピン1本 2,800円
診察、検査代 2,500円 計5,300円 です。
近視進行の抑制について
《小学生の近視は年を追うごとに増加している》
(文部科学省 学校保健統計調査より)
《低濃度アトロピンによる日本人学童を対象とした試験で明らかな効果》
2つのATOM試験を通じ、近視抑制の効果が認められつつも、比較的副作用が少なく、リバウンドが見られないことが確認された「0.01%」を採用し、京都府立医科大学病院を中心に全国の7大学病院が協力して実施されたのが「ATOM-J」試験だ。
6~12歳の男女学童(等価球面度数が-1.00~-6.00D)を、0.01%アトロピン点眼群とプラセボ群にランダムに割り付け、両眼に1日1回、2年間点眼し、近視の進行程度が比較された。稗田氏によると「プラセボ群に比べて、近視の度数、眼軸長ともに統計学的に0.01%アトロピン点眼による有意な進行抑制が見られた」という。サブ解析を含めた詳しい結果は、今後明らかになる予定だ。
稗田氏は、「0.01%アトロピン点眼に、日本人学童の近視の進行抑制に効果があることが明らかになった段階。ただし、効果がないサブグループもあるので、現時点で治療の目的で処方するのは時期尚早。今後、安全で効果的に使用するために、投与方法や継続期間などをさらに検討する必要がある」と話す。
近視の進行抑制をターゲットとしたアトロピン点眼薬の治験は、参天製薬が既に始めている。これまでの近視進行抑制治療は、ほとんどが保険収載されておらず自費診療だったが、低濃度アトロピン点眼薬が承認され薬価収載されれば、近視の進行抑制が保険診療で行えるようになる。今回の研究の成果は、その第一歩ともいえそうだ。(日経メディカルより引用)
《近視抑制における屋外活動の重要性》
環境因子として有力視されているのが、屋外活動だ。複数の疫学研究や介入研究で、屋外活動時間が長いほど近視発症率が低く、近視の進行程度も少ないことが示されている。両親が共に近視であっても、屋外活動時間が長いほど近視発症率が有意に低いことを示した報告もある。
近業時間(近くを見続ける時間)の影響については、読書量や読書時の本と眼の距離の近さが近視有病率に影響するとした報告がある一方で、近業時間にかかわらず、屋外活動時間が長ければ近視有病率が低いことを示した報告もあり、結論は出ていない。いずれにせよ、屋外活動時間を伸ばすことで、近視の発症や進行の抑制に良い影響を与えることは、間違いないと見られている。
《近視進行抑制機序》
軸外収差理論による眼軸長延長の抑制
【当院で行っている近視進行抑制治療】
①マイオピン点眼治療
※上記治療は自由診療で予約制となります。事前にご予約をお願い致します。
フリーダイヤル 0120-312524
近視進行の抑制については、日本近視学会のホームページも御参照下さい。
https://www.myopiasociety.jp/general/care/flow.html