第6回眼鏡について考える会特別講演抄録

【 更新日:2015/06/30 】

近視の原因と進行予防の可能性

東京医科歯科大学名誉教授 所 敬 先生

近視の発生原因には遺伝因子と環境因子とがある。遺伝因子の研究としては遺伝子の研究が精力的に行われている。環境因子については動物による実験近視の発生(形態のボケや焦点ボケの関与)、近業その他種々の因子が考えられ、これらの因子は近視進行の予防にも繋がる可能性がある。

近視の進行には水晶体屈折力の増加か眼軸の延長であるが、実験近視や人眼の研究から現在では、弱度近視でも眼軸延長が主因と考えられている。勿論、強度近視の原因は眼軸延長が主体で、これに基づく種々の合併症が起こるが、脈絡膜血管新生黄斑症により失明することが多い。また、後部ぶどう腫も視力障害の原因として大切である。

環境因子を踏まえて近視の進行予防の可能性について、次の順序で述べる。
1)  長時間の作業はしない。
2)  ストレスの除去
3)  過矯正眼鏡を避ける
4)  戸外での運動(ドパミンの増加)
5)  調節ラグを考慮した屈折矯正
6)  ピレンゼピン(ムスカリンM1阻害薬)の点眼
7)  低濃度アトロピン(ムスカリンM3阻害薬)の点眼
8)  その他の薬物治療の可能性
9)  眼底周辺部の遠視性焦点ズレの矯正
10)照明との関係
11)オルソケラトロジーによる近視抑制効果
12)後部ぶどう腫に対する抑制

前のページへは、ブラウザの戻るボタンでお戻りください。

TOPへ