平成23年9月号(No.92) 眼鏡について考える眼科医

【 更新日:2011/09/02 】

第2回眼鏡について考える眼科医・眼鏡店合同研修会が開催されました。 

眼科医療には「屈折に始まり屈折に終わる」という名言があります。屈折とはその人が持っている近視、遠視、乱視のことを言いますが、その矯正をしっかりすることが眼科の基本であり、また確実な屈折矯正技術を身につけることが容易ではないという意味が込められています。皆様方に満足される眼鏡を提供することは眼科の領域では「屈折矯正医療」という中に入ります。「屈折矯正医療」の向上のためには我々眼科医と眼鏡店の連携が最も大切であることは論を待ちませんが、眼鏡についてそれぞれの立場で知識を深め情報交換を行うことの重要性も忘れてはなりません。
 我が国は他の先進国に比べ、眼鏡処方から作製までの確立したシステムが定着しておらず、眼鏡学を習得する教育施設(専門学校や大学)も整備されていません。従って、眼鏡を作ると言えば眼科で処方箋をもらう方よりも直接眼鏡店に行って眼鏡を作る方が多いのです。しかし、実際には眼鏡店で屈折検査を行うことが医師法で禁じられていることはほとんど知られていません。このような状況から現実的には盛岡市内の眼鏡店のデータでは眼科から処方箋をもらい眼鏡を作る方は30~40%程度です。都会においてはその率は極めて低く10%未満と推定されています。このことは非常に大きな問題を含んでいます。一つは眼科を受診しないことによる緑内障や白内障、黄斑変性などの眼疾患が見逃されてしまうことがあげられます。また、小児においては必要以上に近視度数の強い眼鏡が作成されたり、極端な場合には遠視なのに近視の眼鏡が作られたりすることもあるのです。また、せっかく眼鏡を処方されても年齢や自分の顔に合う適切なフレーム選び、フィッティングさらにはその眼鏡の使い方の指導が適切に行われなければ快適な視力を得ることは出来ません。
 このような状況から「眼鏡について考える眼科医・眼鏡店合同研修会」を昨年から企画し、今年は8月23日に第2回目を開催致しました。今後とも定期的に眼鏡店の方々との交流を深め、皆様方により良い眼鏡を提供できるよう努めていきたいと考えております。

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