平成14年8月号(№54) 不同視弱視について

【 更新日:2002/08/01 】

不同視弱視とは、左右の屈折異常の程度が異なり、眼の発育期に視力差があるもので、遠視性不同視、乱視性不同視が弱視になりやすいといわれています。眼の発育期は生後3ヶ月頃から始まり、18ヶ月でピークを迎え、6~8才で終わるといわれています。不同視弱視は眼の発育が終了する時期(6~8才頃)でも、積極的に治療をすれば左右同等の視力が得られ、予後は良好とされています。しかし、目の位置がずれているわけではなく、小さい子供では見えないという訴えも少ないので、3歳児検診や就学時検診では見落とされがちです。検診の結果、視力測定不可などの判断をされた場合は、眼科で詳しく検査をし、治療をしていく必要があります。
  検査はまず、目の調節という機能を麻痺させる目薬をつけます。調節とは近くを見る時に使う機能で、子供の頃は過剰に調節を使いすぎることがあり、その目薬をつけて正しい目の屈折の状態を確認します。その屈折状態に合わせて眼鏡を作ります。そしてこの眼鏡を常用することが治療にあたります。不同視差(左右の屈折度数の差)が大きいもの、左右の視力が違うもの、不同視の発見が眼の発育期の終了時期に近いものなどは、さらに健眼遮閉訓練をする必要があります。健眼遮閉訓練とは、視力の良い方の眼を隠して、悪い方の眼だけで物を見せることによって視力を上げていくという訓練です。この訓練をやっている子供は、最初は見えにくいので嫌がるので、お家の方、保育園、学校の先生など周囲の方々の協力が非常に重要となります。この訓練は1日最低3時間を目標に続けていきます。
  不同視弱視の治療終了時は、一般的に視力が良好になればよいと思われがちですが、それだけではなく、両方の目で見た時に左右の視力が同じくらいであることや、立体視があることなど、目の機能が正常にならなくてはなりません。不同視弱視のことをもっとよく知ってもらい、検査、訓練を充実させたいと思います。

視能訓練士 堀内  瞳


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