糖尿病網膜症

【 更新日:2015/03/19 】

 

糖尿病網膜症について

糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で起こる眼底の病気です。糖尿病罹患歴が長く、血糖調節がうまくいかないと発症し、眼底の網膜(カメラのフィルムの役目の部分)に血管瘤(小さい血管のこぶ)、出血、浮腫(はれ)、硬性白斑(血液中の脂肪の沈着)が起こってきます(単純型)。進行すると、軟性白斑(小さな血管の閉塞)ができてきます(前増殖型)。更に悪化すると、新生血管ができ、その血管が破れる硝子体出血(眼の中のゼリー状の部分への出血)をきたし、網膜表面に増殖膜が作られます(増殖型)。単純型、前増殖型では自覚症状がないことが多く、患者さん自身が悪化を気づかないまま過ごしてしまいます。増殖型になると、視力が低下し、かすみ感などを感じるようになります。増殖型になった場合に治療をしないまま放置すれば視力を失う危険にさらされることになります。

治療方針を決定するための検査方法

眼底検査や蛍光眼底造影検査で、網膜血管の血液の流れ具合を確認するとともに網膜浮腫や網膜無灌流領域(血液が流れていない所)の有無を検索します。また、黄斑浮腫という網膜中心部の腫れについてはOCT(光干渉断層撮影)検査を行います。

治療方法・目的と合併症

1)内服治療
血液の流れを良くする薬や止血薬を飲むことで病状を改善させます。ただし、内服の治療のみで済むのは病状が軽い方のみです。
2)網膜光凝固術
レーザー光線の熱凝固で出血の吸収を早めたり、腫れを引かせたり、血液の流れを良くしたり、新生血管や硝子体出血の発生を予防したりします。治療の際には、目薬の麻酔を行い、特殊なコンタクトレンズを装着して行います。治療中、多少痛みを感じることがありますが、我慢できないほど強い痛みはありません。また、治療時間は10分~20分位です。合併症として、治療後に視野(見える範囲)が狭くなったり、暗くなったり感じることがあります。
3)テノン嚢下注射
眼の中心部が腫れる黄斑浮腫をステロイドという薬を眼の後ろに特殊な丸い注射針で注射することで腫れを引かせます。一時的に眼圧が上昇することがあります。

他の治療法

最近、上記1)~3)以外にVEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤の硝子体内注射治療ならびにステロイド剤であるトリアムシノロン(マキュエイド®)の硝子体内注射治療も保険適応となり実施できることになりました。また、症例によっては硝子体手術が必要となる場合があります。

前のページへは、ブラウザの戻るボタンでお戻りください。

TOPへ